お花のラッピングに使われる「セロファン」実はOPPって知っていましたか?
目次
■ セロファン=お花のラッピング材? 実はそれ、セロファンじゃないかも!

お花のラッピングと聞いて、真っ先に「セロファン」を思い浮かべる方は多いと思います。
実際に、花屋さんでも「セロファンで包みますね」と言われることがよくありますよね。
でも、実はラッピングに使われている透明なフィルム、ほとんどが“OPP”という別の素材なんです。
昔から使われていたセロファンという言葉が今でも親しまれていて、“セロファン”という名前がラッピングの代名詞のようになっているんですね。
この記事では、そんなセロファンとOPPの違いや、それぞれの特性について、できるだけわかりやすくご紹介していきます。
素材のことをちょっと知るだけで、ラッピングの仕上がりや用途選びにもきっと役立つはずです◎
■ セロファンとOPP、それぞれの特徴を比べてみよう
ラッピングに使われる「セロファン」と「OPP」。
名前は聞いたことがあっても、実際にどんな違いがあるのかは意外と知られていないかもしれません。
ここでは、それぞれの素材の特徴をわかりやすくご紹介します。
使い方や目的によって、どちらが向いているかも変わってくるので、ぜひ参考にしてみてください。
▶ セロファンとは?──自然素材のやさしいフィルム
セロファンは、木材パルプを原料とした天然由来のフィルムです。
昔から文具やお菓子の包装、演出用などに使われてきた歴史ある素材で、環境にやさしいのも特徴のひとつです。
色付きの「カラーセロファン」や、ロール状の「セロファンロール」などもあり、演出や装飾にぴったりです。
ただし、水にはあまり強くありません。濡れるとふやけたり、ヨレてしまうこともあるため、お花など水を含むもののラッピングには不向きといわれています。
→ セロファンについて詳しくはこちらの記事でも紹介しています
※セロファンとは?特徴・使い道をやさしく解説
▶ OPPとは?──透明感と耐水性にすぐれたラッピングの定番
OPPとは「Oriented Polypropylene(延伸ポリプロピレン)」の略で、石油由来のプラスチックフィルムです。
何よりの魅力は、高い透明度とパリッとした質感。そして、水に強く破れにくいため、花束や植物、食品などの包装材として広く使われています。
お花屋さんで実際に使われている透明なラッピングは、このOPPであることがほとんどです。
→ OPPについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
※OPPとは?包装に使われる透明フィルムの正体
▶ なぜ“OPP”を“セロファン”と呼ぶようになったの?
実際に使われているのはOPPなのに、どうして「セロファン」と呼ばれることが多いのでしょうか?
それには、歴史的な背景と呼び慣れた言葉の定着が関係しています。
セロファンは、日本でも古くから使われていた透明フィルムの代表的存在でした。
包装や演出に使われる透明なフィルムといえば、まずセロファン。そんな時代が長く続いてきたため、「透明なフィルム=セロファン」というイメージが、自然と定着していったのです。
その後、より扱いやすく耐水性も高いOPPが登場し、現場で使われる素材は徐々にOPPへと切り替わっていきました。
とはいえ、「セロファンで包みますね」「セロでお願いします」といった言い回しは今でも多く使われており、言葉だけが昔の名残として残っているというのが実情です。
言い換えれば、“セロファン”という言葉が、それだけ広く親しまれてきた証ともいえますね。
▶ お花のラッピングにはOPPがおすすめな理由
ここまで読んで、「じゃあ実際、お花のラッピングにはどちらを選べばいいの?」と思われた方もいるかもしれません。
結論から言うと、お花や植物を包む用途にはOPPが断然おすすめです。
その理由は大きく分けて以下の3つです。
- 水に強く、型崩れしにくい
- 高い透明感で中身をきれいに見せられる
- 丈夫でハリがあり、扱いやすい
1. 水に強く、型崩れしにくい
お花のラッピングでは、水に濡れるシーンが避けられません。
セロファンは水に弱く、湿気でふにゃっとしてしまうことがありますが、OPPは耐水性に優れていてヨレにくく、美しい形を保ちやすいです。
2. 高い透明感で中身をきれいに見せられる
花束の見栄えにとって、透明度はとても大切な要素です。
OPPはツヤ感と透明度が高く、お花の色や質感をより引き立ててくれます。
3. 丈夫でハリがあり、扱いやすい
OPPはパリッとした素材感と適度な硬さがあるため、ラッピング作業がしやすく、形が決まりやすいのも特徴です。
特に、初心者さんでも扱いやすいという声が多く、作業効率の面でもメリットがあります。
■ セロファンとOPP、うまく使い分けてもっと素敵なラッピングを
「セロファン」と「OPP」、それぞれに良さがあって、用途によって向き不向きも異なります。
大切なのは、素材の特性を理解して、目的に合ったものを選ぶことです。
例えば…
- お花や水気のあるもの → 耐水性の高いOPP
- 演出や装飾、小物ラッピング → 透け感ややわらかさを生かしたセロファン
- 環境配慮を優先したい場合 → 自然由来のセロファン
といったように、使い分けることで、仕上がりの美しさや実用性がグッとアップします。
今では「セロファン」という言葉が、ラッピング全般を指すように使われることもありますが、実際の素材を意識して選んでみると、より使いやすく、見た目も美しく仕上がるはずです。
ぜひこの機会に、セロファンとOPPの違いをちょっとだけ意識してみてください。
いつものラッピングが、少しだけプロっぽく見えるかもしれません。