食品用OPPシートについて
今回は、食品包装にも使えるOPPシートについてご紹介をさせて頂きます。
目次
≪OPPとは何から作られている?≫
OPPは、石油由来の原料を主原料として作られた、二軸延伸ポリプロピレンのことで、縦と横の2方向に延伸したフィルムのことです。
≪食品用シートと非食品用シートの違いについて≫
食品用シートとは、食品衛生法に適合したフィルムの事です。
それに対して、非食品用シートは食品衛生法に適合しないフィルムもしくは、食品衛生法の検査を受けていないフィルムのことです。
見た目では分かりませんので、購入業者にフィルム検査書などを問い合わせると確認することができます。
≪食品用OPPシートの種類≫
食品用OPPシートは、一般(帯電防止)タイプのOPPと、防曇(鮮度保持)タイプです。
特殊タイプとしては、抗菌タイプやバイオマス配合タイプなどがあります。
≪食品用シートで、OPPシート以外の素材≫
食品用シート(フィルム)でOPPシート以外は、ポリエステルフィルム(PET)、普通セロファン(PT)・防湿セロファン(MST)などになります。
≪OPPシート以外を選ぶ理由≫
食品用シートは、価格面を重視してOPPシートが選ばれることが多いですが、OPPシート以外を選ぶ場合は、機能性を求めて選ばれています。
機能性の違いについては、下記の通りとなります。
耐水性(大>小)
OPP、防曇、PET > MST > PT
曇り・蒸れ(強い>弱い)
PT > 防曇 > MST > OPP、PET
耐熱性(強い>弱い)
PT、MST > PET > OPP
硬さ(強い>弱い)
PET > OPP、防曇 > PT、MST
≪食品用シートの厚みについて≫
一般的によく使われる食品用シートの厚みは、以下の通りです。
≪OPPフィルムの厚み≫
OPPフィルムは、20μ、25μ、30μ、40μ、50μ、60μです。
≪防曇フィルムの厚み≫
防曇フィルムは、15μ、20μ、25μ、30μ、40μです。
≪PETフィルムの厚み≫
PETフィルムは、12μ、16μ、25μです。
≪普通セロファンの厚み≫
普通セロファンの厚みは、約20μ、約23μ、27μです。
≪防湿セロファンの厚み≫
防湿セロファンの厚みは、約21μ、約24μです。
≪加工できるシートサイズ≫
当社で、加工できる最大サイズは、1メーター×2メーター以下で、小さなサイズですと、鉛筆程のサイズからお受けさせて頂いています。
≪デザインや、色数制限について≫
フィルムに印刷するデザインは、微細なデザイン以外はご希望のデザインで印刷が可能です。
フィルムに印刷ができる色数は、1色から5色までが一般的です。
特に、色目に指定がある場合は、ご要望に応じて5色以上の印刷をさせて頂いています。ただし、版代等が高額になりますので、ご要望内容に応じてオンデマンド印刷をお勧めする場合があります。
≪食品用シートの使い方≫
食品用シートの使い方は、大きくは「保存用」と「ラッピング効果」を目的とする2つに分かれます。
保存用としては、食品をフィルムシートで包み、乾燥防止や接触によるキズ防止などの目的として使われています。
ラッピング用としては、フィルムに社名や商品名の印刷を入れることで、製品の差別化やPR効果を期待できます。
≪食品用OPPシートを使用するメリット≫
皆さんの一番目に触れる食品用シートと言えば、コンビニ弁当のOPPシートではないでしょうか。
このシートは、なぜ必要だと思われますか?
近年、環境問題が大きく取り沙汰されていることもあり、必要がないと思っている方も多いのではないでしょうか?
では、このシートが無い場合を想像して頂けますか。
お弁当を購入していざ食べようとすると、ソースやおかずがお弁当の蓋に付いてる経験をしたことはないでしょうか?
電子レンジを使って、容器のフタが溶けていたことはないですか?
食品用フィルムシートは、容器へのソースやおかずの転写防止であり、油の熱で容器が溶けるのを防止する役割があります。
また、揮発性の抗菌効果を持ったフィルムシートを使う場合には、食品全体をフィルムで覆うことにより、空間作用による抗菌効果を期待することもできます。
このように、一見すると無くてもよさそうなフィルムシートですが、食品の作り手のこだわりの違いを感じ取れる一つのアイテムとしてご活用頂いています。
≪まとめ≫
今回は、食品用OPPシートについてご紹介をさせて頂きました。
食品用と非食品用シートの一番の違いは、食品衛生法の検査を受けているか、受けていないかの違いです。
そして、用途に応じたフィルムをお使い頂くことは、美味しく安全に食品をご提供することに繋がります。
一見すると、無くてもよさそうなフィルムに思えますが、使われているフィルムの役割を知ることで、美味しく食べることや作り手の思いを感じることが出来るのではないでしょうか。
今回は、皆様の美味しいお菓子やお弁当を作るお手伝いの一助になればと願い、この記事を書かせて頂きました。
最後まで、お読み頂きましてありがとうございました。